国際協力の世界で働きたい君へ(国連職員編)
昨日、おとといと仕事先をいろいろ書いてきたが、肝心な事を忘れていた。
「国連職員」と「国連ボランティア」である。
(昨日の記事はこちら)
なる方法はいくつかある。
- 直接応募する
- JPO派遣制度を利用する
- JICAなどに入職してから出向する
直接応募する、は以下のリンクから調べていくと仕事を見つけることができる。
自分が働きたい組織、内容を調べると見つかるであろう。
国連職員と言っても職種は様々で、WHOの医師やUNHCRの現地コーディネーター等々いろんな仕事がある。
コンピューター関係の仕事も最近は多い。
仕事先は基本的に海外である。
WHOが神戸に事務所を持っているので、たまに大学院生のインターンを募集していたりするがマレである。
なお、途上国でもないWHOがなぜ日本に事務所を持つのかといえば、高齢化の進んでいる事を研究したりしているからである。
国連は単に途上国の人たちのためだけに働いているのではないのである。
だからこそ、自分は国連で何をしたいのかを考える必要がある。
JPO派遣制度というのは政府の負担で2年間国際機関で職員として勤務しながらステップアップをする制度である。
国連職員というのはランクがあり、日本の一般企業の昇進システムに似ていると思えば分かりやすいかもしれない。
自分の技術や知識、語学能力などに自信があれば最初から直接応募するといい。
しかし、世界中で働きたい人がたくさんいる国連で、知りあいも働いた経験もなく一定のポストに就くのは容易ではない。
中途採用でもなく、新卒で入って係長や課長ポストに就けないのに似ている。
そこで外務省が国連職員になるためのステップアップとしてJPO派遣制度というのをやっている。
一般的に新卒では国連職員にはなれないので外務省が派遣制度を用意し、国連職員になるための橋渡しをしてくれるのである。
詳細はリンク先から調べてほしいが、これは日本が国連に出している拠出金の割に職員が少ないというのに起因している。
後述するが、日本人はあまり国連職員になりたがらないのである。
そして、最後の出向は人事異動によって数年出向するのである。
組織の人事異動に近いので働きたいと思っていても働けるとは限らない。
希望を出して、かなえば晴れて働けるという感じである。
また、国連ボランティアにも触れておこうと思う。
国連ボランティアという制度がある。
2年間の有給ボランティアでこれも一部費用を政府が負担していたりする。
JPO派遣制度に近く、組織によっては次へのステップアップとして有効なところもある。
青年海外協力隊にも似ているが、仕事内容がより具体的で青年海外協力隊では対応しないような地域での難民支援などもあったりする。
国連ボランティアの応募資格と応募方法 | 国連ボランティア計画(UNV)
国連職員になる方法を書いてきたが、日本人には狭き門だったりする。
理由は主に3つある。
1つは語学力である。
国連はネイティブかかなり流ちょうなレベルで英語+もう一つの言語を話せる必要がある。
もう一つの言語というのはフランス語、スペイン語、中国語、アラビア語、ロシア語である。
英語フランス語はアフリカの諸国でも話されている言語である。
アラビア語は中東からイスラム教を信仰している人たちが話している。
2つ目の言語は英語ほど話せなくてもいいが、それでもある程度話せる必要がある。
それぞれ日本人にはなじみのない言語で、かつ2か国語となると結構厳しいのが現状である。
2つ目に必要なのが、修士以上の大学院卒業資格である。
国連で現地に行って仕事する場合、各国の要人や役人、医師などみんな高学歴の人たちと仕事をする事がおおい。
彼らと対等に話をする場合、最低でも修士レベルの資格が必要なければ相手にしてもらえないのである。
また、仕事する上でも豊富な知識が必要である事が多い。
そのため、国連だけでなく国際協力で働いている人は働きながら大学院へ行くなどしている人は少なくない。
最後に終身雇用ではないという事である。
国連職員は終身雇用制度はない。
昔はあったが、今はほとんどないというのが正しい。
長くても5年程度の期間職員である。
JPO制度や国連ボランティアをはじめ2~3年ごとに試験を繰り返し、仕事を見つける必要がある。
自分に必要な仕事がなくなる可能性もある。
そのような状況では結婚して、子どもを産み育てるのは容易ではないと考える人がおおいのだと思う。
と、暗い事ばかり書いてしまったが、途中で書いたように日本は国連への拠出金の割に働いている職員が少ないので政府もできるだけ多くの人に働いてほしいと思っている。
また、国連職員は世界規模でいろんな事を考えられるという醍醐味がある。
もし興味があればぜひ挑戦してみてほしい。