国際協力の世界で働きたい君へ(恋愛・結婚編)
実はこれが一番大切なんじゃないかと思う話である。
君(あなた)はこれからの人生、家族や友達とどうやって過ごしたいか、である。
長い人生、仕事は40年以上生涯に渡って続ける可能性が高い。
その時にプライベートはどうしたいのかを考えておく必要がある。
日本を拠点にして途上国に出張ベース、もしくは短期の滞在で仕事する場合は結婚するとかしないというのはあまり問題にならないだろう。
(それでもJICAなどの場合は日本各地に拠点があるので転勤になることがある。
なお、JICAの場合は配偶者について転勤する場合休職できる制度がある。)
しかし、途上国で長期的に暮らす場合はなかなか日本に帰れない。
また家族や友人を呼ぶにしても国によってはビザなどの関係で難しかったりする。
その時家族や恋人に会えなくても平気か。
友達に会えなくても平気か。
日本と違う環境で、違う問題が起きてしんどい時があっても平気なのかどうかである。
(もちろん行ってみなければ分からない事もある)
そこで今回は途上国にいた時に出会ったいろんな家族のパターンの話である。
1、独身・ずっと単身赴任
途上国で働いていると出会いが少ない。
否、日本以上に途上国では日本人同士の関係が密だが、そこから恋愛や結婚に発展するかは別である。
そこで、独身でずっと仕事している人もいる。
また結婚したものの、家庭の事情などで10年以上単身赴任している人もいる。
そういう人は当たり前だが、家に帰っても一人である。
週末は友達や一人で過ごす。
途上国に行くと、家族を大切にしている地域が多い。
何かと集まったりする事が多い。
ローカルで仕事していると、そういう場に招待される事も少なくない。
それでも平気なら別に問題ない。
また、独身の人の中には日本に彼氏彼女を残して途上国に行く人もいる。
停電がざらだったり、インターネットなどの環境がよくない事も多く、日本のようにいつでもどこでも連絡が取れるわけではない。
長い間恋人に会えなくても平気かどうかも大切なポイントである。
2、家族で赴任
家族で赴任する事もよくある。
その場合、
- 配偶者は日本人か外国人か
- 配偶者の仕事は何か
というのは大きな問題だったりする。
配偶者が外国人の場合は、配偶者の生活圏に近いところで仕事している人が多い。
南アジア出身ならその周辺で仕事する、アフリカ出身ならその地域で、という事である。家族などの手助けがしてもらいやすい、配偶者が過ごしやすいという事を考えて選ぶ事が多いためだろう。
もちろん例外もあり、太平洋の島国で出会った配偶者を連れてアジアで働くとか、お互いの出身とは全然関係ない南米で仕事するというような人も沢山いる。
この辺は家族や仕事内容による。
また、配偶者の仕事も問題になる。
配偶者が同じ国際協力の仕事をしている場合、転勤になることがある。
その場合はお互い海外に単身赴任しながら結婚生活を送るという人もいる。
また、数年単位の仕事の場合は仕事を受けたほうについていき、その間はお休み(もしくは短時間などの仕事を)して、次はもう一人の方についていくというような事をしている事もある。
同じ時期に同じ地域でしかも自分の専門の国際協力の仕事を見つけるというのは簡単ではない。
ほかにも、手に職がありどこでも働ける配偶者で現地で仕事するというのもたまに聞く。英会話教師や医師(医療従事者)などである。
女性の場合、途上国で働いているとその後のキャリアに悩む人が多い。
国際協力の仕事をしてみたものの、家族仲良く暮らす様子を見て日本で暮らそうと思う人も少なくない。
もちろん、それもアリである。
それでも昔に比べると結婚して、子どもを育てながら国際協力の仕事をしている人が増えた。
子育てしながら専門家として活躍している人がいたり、NGOの事務局でバリバリ働いている人がいたりする。
配偶者の有無や相手の職業にもよるが、キャリアを続けている人も少なくない。
国際協力の仕事は期間雇用が多いので、出産などのイベントを経て再就職するのも手だろう。
だから、女性だからという理由で国際協力の仕事を辞める必要はない。
結局、人生の中でどんな人に出会い、恋愛し、結婚するのかは分からない。
仕事も似たようなものでやってみないと分からない。
だから、将来の事を心配してしり込みするより国際協力の仕事をやってみたいなら飛び込んでみるといい。
なかなか国際協力の仕事をする場合に、恋愛や結婚の話をすることは少ないが、普通の就職や起業とは違うのでやはり考えておくポイントだろう。
途上国における軍・政治権力・市民社会―21世紀の「新しい」政軍関係― (シリーズ転換期の国際政治)
- 作者: 酒井啓子,池田明史,玉田芳史,鈴木恵美,井上あえか,松本弘,久保慶一,山尾大,末近浩太,五十嵐誠一,横田貴之,増原綾子,松永泰行,鈴木絢女
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